Archive for 12月, 2012

伊豆弓ヶ浜でカワハギ釣り

Posted 2012年12月30日 By MorimotoHitoshi
伊豆弓ヶ浜でカワハギ釣り

伊豆弓ヶ浜のカワハギ、漁師が釣らないのでサイズがデカイ。

 

伊豆弓ヶ浜の磯釣りでは毎年11月ころからカワハギ釣りが楽しくなります。南伊豆では漁師も釣り人もカワハギ釣りしないので弓ヶ浜周辺で釣り上がるカワハギは30cm級のデカバンばかりです。10月下旬から肝がふくれ始めた旬のカワハギを船釣りします。

エサはスーパーで買ってきた活あさりの身をスプーンでとって、それを1回転ひねりを加えて針先を出さないように丁寧に針に刺します。この針へのエサ付けをどれだけ正確にやれるかがカワハギ釣果を左右します。

 

伊豆弓ヶ浜でカワハギ釣り

弓ヶ浜周辺の地磯を船釣りで狙う

 

カワハギは、垂直にホバリングして泳げる魚で、あの小さい口で吸い込むようにエサだけを上手に盗んでいきます。「エサ取り名人」なので冬の釣り人を熱くしてくれる訳です。

仕掛けは、胴付き3本針、オモリ30号、水深10~30mの沖根を探ります。釣り方は、1)たたき釣り、2)誘い釣り、3)寝かせ釣り、の三手法を当日のコンディションに合わせて探りながら組み合わせしていきます。

わずかなアタリ(食いついた反応)もないまま、エサが3つとも全部ないようなときには、船下にカワハギが集まっているときです。

 

伊豆弓ヶ浜でカワハギ釣り

釣りたてのカワハギを船上干し

 

私の場合、天気が良い日は、釣ったカワハギをその場で開いて、藻塩ふって、2時間くらい船上干しします。弓ヶ浜の海水と潮風と太陽がカワハギのうまみ凝縮してくれます。

 

伊豆弓ヶ浜でカワハギ釣り

カワハギの干物、船上干し

 

これを炭火であぶるとき、何とも言えぬ上品な香りに包まれます。カワハギ干物を炭火であぶったときには、ビーフジャーキーのように手でちぎりながら食するのが作法です、その方がうまいです。

 

伊豆弓ヶ浜のカワハギ釣り

カワハギのひれ酒、これがまた抜群にうまい。

 

また、船上で開くときに、尾びれ、胸びれ、背びれもきれいに切り取って歯ブラシで表面の汚れをよーく落として海水で洗って1時間天日干しするとカリカリになります。それを晩酌で熱燗の日本酒を注ぐとカワハギひれ酒が飲めます。これもトラフグのひれ酒と同じくらいうまい熱燗が愉しめます。私のような日本酒好きには最高のオマケとなります。

 

伊豆弓ヶ浜でカワハギ釣り

カワハギ干物でカワハギ飯を炊き込む

 

さらに、ご飯を炊き込むときにカワハギ干物を上に乗せてダシを入れてカワハギ飯の出来上がり。上品な香りと深い味わい、鯛飯にもぜんぜん負けていません。

 

伊豆弓ヶ浜でカワハギ釣り

豪快な肝乗せのカワハギ寿司

 

そして定番は刺身でしょう、肝を醤油に溶かしたキモ醤油でカワハギの刺身を食するとき、しみじみと冬の南伊豆の幸を感謝とともに味わうことができるのです。上の写真は釣りたての新鮮なカワハギだからこそできる豪快なキモ乗せカワハギ寿司です。スーパーで売っているカワハギではちょっと無理です。

南伊豆の冬は西高東低の天気図によって西風が強くなります。船を出して弓ヶ浜の周辺の沖根でカワハギ釣りできる日も少ないです。お天気の日、凪のいいときにカワハギと戯れるのが私の一番の冬の楽しみです。

私のコテージのお客さんには希望があれば出船していますし、調理道具もレンタルしています。カワハギ釣り(ファミリー貸切船釣りプラン)詳細はこちらをご覧下さい。

冬の弓ヶ浜の遊び方の一つをご紹介いたしました。

 

弓ヶ浜のタコ漁、地タコは刺身、塩ゆで、さくら煮、たこ飯がうまい。

弓ヶ浜のマダコ、地元では地タコと呼ばれている、今が旬

 

南伊豆では12月を過ぎるとタコ漁が始まります。地元ではこのマダコを地タコと呼んで冬の味覚として珍重しています。今はマダコ専門の漁師はいませんが、冬の間あまりにもおいしいので「おかず」として漁獲されています。

 

弓ヶ浜のタコ漁、地タコは刺身、塩ゆで、さくら煮、たこ飯がうまい。

タコ壺仕掛けを弓ヶ浜、逢ヶ浜の地浦の磯に仕掛ける

 

仕掛けはたこ壺のような仕掛けに青野川で獲れたズガニをしばりつけて弓ヶ浜、逢ヶ浜の磯に沈めます。ズガニは青野川河口の波止場に魚のアラを放り込んだカニかごを一晩沈めて捕獲します。

南伊豆ではこのズガニでズガニ汁を作ったりしていますが、とても濃厚な味が出る蟹で地タコ漁の最高のエサになります。

ズガニをしばりつけたたこ壺仕掛けを岩場の上に一晩沈め、翌日引き上げます。エサがそのままついていたらたこ壺をもう一度沈め直します。

このたこ壺の中にタコが入ってズガニを引っ張ると仕掛けの止め金がはずれたこ壺の蓋が閉まる仕掛けになっています。

青野川でズガニを獲った網カゴをそのまま海に沈める方法もありますが、これだと本命のマダコ(地タコ)が入ってもその跡にウツボも入ってきて地タコを食べてしまうことが多いようです。

魚のアラを放り込んだ網カゴを引き上げに行ったら、アラが地タコにきれいに食べ尽くされていて、地タコがきれいにウツボに食べ尽くされていて、網カゴがからっぽになっているのを何度も目撃しています。

 

弓ヶ浜のタコ漁、地タコは刺身、塩ゆで、さくら煮、たこ飯がうまい。

地タコは胴体の皮をひっくり返してしめる

 

さて、地タコの調理方法を写真で説明いたします。

まずは生きている地タコの胴体の皮を裏返しにして絞めてください。タコってものすごい力がありますのでこれは男の仕事です。

次に、墨袋を見つけて割らないように取り出して捨ててください。次に白い卵巣(精巣かな?)を大切に取り出してください、これは後で桜煮にします。それ以外の内臓やワタも取り出して捨てください。

 

弓ヶ浜のタコ漁、地タコは刺身、塩ゆで、さくら煮、たこ飯がうまい。

大量の塩でかなり強くゴシゴシ体全体をしごいてヌメリをとる

 

次に、粗塩をドバドバふりかけてタコの体全体をかなり強めにゴシゴシもみます。軍手をはめてやると効率的です。こうやって可能な限りヌメリを取り除いてください。どこまでヌメリを除去できるかが味に大きく左右します。

地タコは死ぬほどおいしいのですがこの作業が嫌で食べない人がいるのです。気合いを入れてゴシゴシやってください。

 

弓ヶ浜のタコ漁、地タコは刺身、塩ゆで、さくら煮、たこ飯がうまい。

純白の刺身、柳刃でひきはがすように皮をむいていく

 

ヌメリがとれたらまず地タコの刺身を作ります。柳刃包丁で皮を押しはがすような感じで向いていきます。この作業はコツを習得するまでちょっと時間がかかるでしょう。

純白の身が現れてきました。これを薄切りにして、表面に小さい切り込みを6カ所入れ、まな板に一枚一枚丁寧に強くたたきつけます、すると花びら開花のように刺身の身が開いてきます。これを盛りつけて地タコの刺身が完成です。

このたこ刺身を口入れたとき、これが本当にタコなの?って感じ、一生に一度は獲れたてマダコの刺身を食べてみてください、ちょっと言葉では表現できない上品で高貴なおいしさです。

 

弓ヶ浜のタコ漁、地タコは刺身、塩ゆで、さくら煮、たこ飯がうまい。

ゆで蛸は足先からゆっくりとお湯に沈めていく

 

次はおなじみの茹でタコです。鍋の中にたっぷり水を入れ、ほうじ茶テーバック1個と醤油数滴をたらして沸騰させます。ほうじ茶は茹で蛸の色つやをよくするために入れるそうです。入れなくてもOKです。

ぐらぐら沸騰したら、タコを足先の方からゆっくり沈めていきます。これはクルッときれいに足がゆで上がるためです。足先がクルッときれいに丸まったら、ゆっくりと全体を鍋に沈めていきます。

全体を鍋に沈めてから5分くらいでゆで上がります。常温で冷ましていただきます。これもスーパーで売っている茹で蛸とはひと味もふた味も違います。これが茹でダコだあ!って走り出したくなるほどうまいです。

 

弓ヶ浜のタコ漁、地タコは刺身、塩ゆで、さくら煮、たこ飯がうまい。

ゲソや卵巣は醤油とみりんでさくら煮、これが実にいける

 

次の地タコのレシピはさくら煮です。げそと肝を醤油:みりん=1:1で軽く煮付けます。色が桜色になるのでタコの桜煮と呼ばれています。コリコリして予想をはるかに超えてうまかったです。

南伊豆、弓ヶ浜でこれから春まで地タコ漁が続きます。私も青野川で網カゴでズガニを獲ってはたこ壺を仕掛けるつもりです。冬の短い間しか楽しめない貴重な地タコを大切に味わっていくつもりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弓ヶ浜で高足ガニ漁が始まりました、南伊豆12月1日高足かに解禁

大サイズの高足ガニ、これを飲食店で食べたら・・・

 

 

毎年、南伊豆の弓ヶ浜では12月1日が高足ガニ漁の解禁日となっています。

 

弓ヶ浜で高足ガニ漁が始まりました、南伊豆12月1日高足かに解禁

弓ヶ浜の波止場で高足ガニ漁の準備をする漁師たち

 

大人が2人入れそうな特大の網カゴの中にエサのマグロ頭を2~3個放り込み水深150mの海底に沈めます。網カゴは20基くらいありロープでつながっています。

とにかく仕掛けが大がかりなので海底に下ろすときも引き上げるときも力仕事で船長他2名の海仕事に手慣れた力のある作業員が必要です。

弓ヶ浜の波止場でカゴ網を準備して船に積み込みます。仕掛けを海に落とすときは数十キロあるオモリを何個もつけて一気に海底まで落としますので入念に、慎重に、何度も点検しながら積み込みます。

もし、人間がロープにからまって海に落ちたら、一気に海底まで連れて行かれ、まず助からないでしょう、少しのミスも許されません。

 

弓ヶ浜で高足ガニ漁が始まりました、南伊豆12月1日高足かに解禁

高足ガニ漁は冷凍マグロ頭をカゴ網に入れて深海に沈める

 

エサは冷凍マグロの頭を使います。これに電気ドリルで穴を開け針金を通してカゴ網にぶら下げます。エビでタイを釣るように高価なエサが必要なのです。

 

弓ヶ浜で高足ガニ漁が始まりました、南伊豆12月1日高足かに解禁

深海から引き上げられた高足ガニのカゴ網

 

南伊豆で12月といえば西風が吹き荒れる時期で、この高足ガニ漁も大西の中、死ぬほど揺られながら河津沖のポイントまで1時間走ります。

私 は一応半人前の漁師で自らも1.7トンの漁船の船長ですが、この揺れには不覚にも船酔いしてしまった苦い経験があります。3トンある大きな高足ガニ漁船が3m以上ある大波にもまれてハンパない揺れです。千鳥足で甲板にぼーっと立っていたらカゴ網を落とすときに仲間から怒鳴られました。

さて、荒れ狂うポイントに突いたら、全員が船長の号令で仕掛けを落とす体勢になり、一気に落とします。こんな大きなカゴを海底150mの狙った場所に落とすには、風と潮を操船を寸分狂わず読んで命令を下す必要があります。

西風は10m以上吹き荒れ、潮は黒潮支流でゴーゴー川のように流れ、波はスパンカーよりも高く、漁船は3トン以上の巨大で、魚探とGPSをにらみつけながら、船員に的確な指示を出す・・・大間のマグロ漁のような壮絶な戦場です。

高足ガニの仕掛けは大がかりなので打ち直しが不可能です、だから仕掛けが海底150mの狙ったポイントに入らなければ、揚がってくる高足ガニの漁も激減します。

船長としての価値がこの一瞬で決まります。

 

弓ヶ浜で高足ガニ漁が始まりました、南伊豆12月1日高足かに解禁

これくらいのサイズの高足ガニを専門店で食べると・・・

 

伊豆半島には高足ガニを食べさせる飲食店がたくさんありますが、けっこう高いです。上の写真の小サイズ(1kg級)の高足ガニを飲食店で食べると16,000円くらいです。3kg級の大サイズだと30,000円くらいだそうです。ちょっと手が出ません。

それに、昨年までは、弓ヶ浜の伊豆漁協直売所で活き高足ガニをかなり安く(キロ4,000円くらい)売っていましたが、これも今年から販売をやめてしまい、一般の人が獲れたての新鮮な高足ガニを安く買うルートがなくなってしまいました。

これだけ飲食店で高いと、きっと消費される高足ガニも減っていくでしょう。

私は近所が高足ガニ漁師なのでいつも漁師価格で買っていますが、そのうち高足ガニを食べることができるのは高級料亭と漁師だけ・・・ということになりそうです。

でもそうなると、高足ガニ漁も廃業・・・ということになるのかなあ。

幻の高足ガニになる日もそう遠くない感じです。