弓ヶ浜のタコ漁、地タコは刺身、茹で、さくら煮、たこ飯がうまい。

弓ヶ浜のタコ漁、地タコは刺身、塩ゆで、さくら煮、たこ飯がうまい。

弓ヶ浜のマダコ、地元では地タコと呼ばれている、今が旬

 

南伊豆では12月を過ぎるとタコ漁が始まります。地元ではこのマダコを地タコと呼んで冬の味覚として珍重しています。今はマダコ専門の漁師はいませんが、冬の間あまりにもおいしいので「おかず」として漁獲されています。

 

弓ヶ浜のタコ漁、地タコは刺身、塩ゆで、さくら煮、たこ飯がうまい。

タコ壺仕掛けを弓ヶ浜、逢ヶ浜の地浦の磯に仕掛ける

 

仕掛けはたこ壺のような仕掛けに青野川で獲れたズガニをしばりつけて弓ヶ浜、逢ヶ浜の磯に沈めます。ズガニは青野川河口の波止場に魚のアラを放り込んだカニかごを一晩沈めて捕獲します。

南伊豆ではこのズガニでズガニ汁を作ったりしていますが、とても濃厚な味が出る蟹で地タコ漁の最高のエサになります。

ズガニをしばりつけたたこ壺仕掛けを岩場の上に一晩沈め、翌日引き上げます。エサがそのままついていたらたこ壺をもう一度沈め直します。

このたこ壺の中にタコが入ってズガニを引っ張ると仕掛けの止め金がはずれたこ壺の蓋が閉まる仕掛けになっています。

青野川でズガニを獲った網カゴをそのまま海に沈める方法もありますが、これだと本命のマダコ(地タコ)が入ってもその跡にウツボも入ってきて地タコを食べてしまうことが多いようです。

魚のアラを放り込んだ網カゴを引き上げに行ったら、アラが地タコにきれいに食べ尽くされていて、地タコがきれいにウツボに食べ尽くされていて、網カゴがからっぽになっているのを何度も目撃しています。

 

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地タコは胴体の皮をひっくり返してしめる

 

さて、地タコの調理方法を写真で説明いたします。

まずは生きている地タコの胴体の皮を裏返しにして絞めてください。タコってものすごい力がありますのでこれは男の仕事です。

次に、墨袋を見つけて割らないように取り出して捨ててください。次に白い卵巣(精巣かな?)を大切に取り出してください、これは後で桜煮にします。それ以外の内臓やワタも取り出して捨てください。

 

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大量の塩でかなり強くゴシゴシ体全体をしごいてヌメリをとる

 

次に、粗塩をドバドバふりかけてタコの体全体をかなり強めにゴシゴシもみます。軍手をはめてやると効率的です。こうやって可能な限りヌメリを取り除いてください。どこまでヌメリを除去できるかが味に大きく左右します。

地タコは死ぬほどおいしいのですがこの作業が嫌で食べない人がいるのです。気合いを入れてゴシゴシやってください。

 

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純白の刺身、柳刃でひきはがすように皮をむいていく

 

ヌメリがとれたらまず地タコの刺身を作ります。柳刃包丁で皮を押しはがすような感じで向いていきます。この作業はコツを習得するまでちょっと時間がかかるでしょう。

純白の身が現れてきました。これを薄切りにして、表面に小さい切り込みを6カ所入れ、まな板に一枚一枚丁寧に強くたたきつけます、すると花びら開花のように刺身の身が開いてきます。これを盛りつけて地タコの刺身が完成です。

このたこ刺身を口入れたとき、これが本当にタコなの?って感じ、一生に一度は獲れたてマダコの刺身を食べてみてください、ちょっと言葉では表現できない上品で高貴なおいしさです。

 

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ゆで蛸は足先からゆっくりとお湯に沈めていく

 

次はおなじみの茹でタコです。鍋の中にたっぷり水を入れ、ほうじ茶テーバック1個と醤油数滴をたらして沸騰させます。ほうじ茶は茹で蛸の色つやをよくするために入れるそうです。入れなくてもOKです。

ぐらぐら沸騰したら、タコを足先の方からゆっくり沈めていきます。これはクルッときれいに足がゆで上がるためです。足先がクルッときれいに丸まったら、ゆっくりと全体を鍋に沈めていきます。

全体を鍋に沈めてから5分くらいでゆで上がります。常温で冷ましていただきます。これもスーパーで売っている茹で蛸とはひと味もふた味も違います。これが茹でダコだあ!って走り出したくなるほどうまいです。

 

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ゲソや卵巣は醤油とみりんでさくら煮、これが実にいける

 

次の地タコのレシピはさくら煮です。げそと肝を醤油:みりん=1:1で軽く煮付けます。色が桜色になるのでタコの桜煮と呼ばれています。コリコリして予想をはるかに超えてうまかったです。

南伊豆、弓ヶ浜でこれから春まで地タコ漁が続きます。私も青野川で網カゴでズガニを獲ってはたこ壺を仕掛けるつもりです。冬の短い間しか楽しめない貴重な地タコを大切に味わっていくつもりです。

 

 

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