Archive for 3月, 2014

これはジキンメです。

これは南伊豆の金目鯛の中の「ジキンメ(地金目鯛)」です。

 

伊豆半島で水揚げされる金目鯛には3種類あります。

3種類とも外見はほぼ同じで、漁師以外は見分けつきませんが、実は味と値段がまったく違います。

稲取魚市場や下田魚市場など伊豆南地方の地魚の代名詞になっている金目鯛ですが、どの種類の金目鯛を食べたの?

ということを、知ってるのと知らないのと天地の差があります。

だから、伊豆半島に旅行に来る人で「金目鯛を食べたい!」と思っている方は、ぜひ頭に入れておいて下さい。

 

下田魚市場には3種類の金目鯛が水揚げされます。

下田魚市場には3種類の金目鯛が水揚げされます。

 

伊豆半島の金目鯛には3種類あって、地金目鯛(ジキンメ)、島キンメ(シマキンメ)、沖キンメ(オキキンメ)です。

それではまず地金目鯛(ジキンメ)から説明します。

 

1.地金目鯛(ジキンメ、稲取キンメ、日戻りキンメ、などと地元では呼ばれています)

新島周辺の特定海域(ニイジマオカ)、大島周辺の特定海域(オオシマッパラ)、など神津島より手前の海で南伊豆エリア沿岸の小釣漁師が「日帰り」で一本釣りしてくる金目鯛のことです。

他の2種と比較して脂の乗りが多く、味も濃く、金目鯛では最上級のブランドです。

 

漁師レシピ、地金目鯛(ジキンメ)のキモ料理

地元漁師に伝わる南伊豆でしか食べれない地金目鯛(ジキンメ)のキモ料理3種

 

ジキンメは、地元の南伊豆町内&下田市内のスーパーでもめったに並びませんが、たまにあったとしても、1kgサイズ以下の900gサイズで1枚4,500円以上する超高級魚です。

1kg以上の大きなサイズのジキンメは、伊豆の地元スーパーでもまず並ぶことはありません。値が高すぎて地元スーパーでは売れないのです。

1kgオーバーの大きなサイズのジキンメの脂の乗りのハンパなく、地元漁師は「ジキンメは1キロ超えると味が化ける」と言います。ただ、最近はジキンメの水揚量が減り、たまに水揚げされても、そのほとんどが県外や築地市場に回されると聞いています。

 

地金目鯛(ジキンメ)のネギマ

南伊豆地元レシピの地金目鯛(ジキンメ)のネギマ焼き

 

私は、2年前、銀座4丁目の有名デパ地下の生鮮売り場で、1.2kgのジキンメに18,000円の値札がついているのを見たことがあります。

南伊豆の地元スーパーでも1kgオーバーのジキンメはめったに見かけない「幻の高級魚」になりつつあります。

 

弓ヶ浜のジキンメ専門の漁船

南伊豆町の弓ヶ浜の波止場でジキンメ専門の漁船が水揚げしているところ。

 

だから、首都圏4,000万人のみなさんにとっては、残念ながら「ジキンメ」は、高級料亭や高級寿司屋で遭遇する以外は、まず食べることができない(というか見ることもできない)食材の一つだと思います。

 

弓ヶ浜のジキンメ専門の漁師

南伊豆の弓ヶ浜のジキンメ専門の漁師がプライドをもっておすすめする地魚です。

 

「ジキンメ」こそ、伊豆半島、特に南伊豆エリアの小釣漁師が誇る、南伊豆ブランドNo.1の金目鯛です。

 

2.島キンメ

「シマキンメ」とは、神津島周辺から八丈島周辺の特定海域で南伊豆の小釣漁師が日帰りで釣ってくる金目鯛のことです。

脂の乗りと味はジキンメ(地金目鯛)よりワンランク落ちます。

地元の南伊豆町内&下田市内のスーパーには並びませんので、下田魚市場の仲買人から買うと、だいたい1kgサイズで1枚5,000円以上です。

 

3.沖キンメ

「オキキンメ」とは、主に、50トン級の大型漁船(地元ではキンメ船と呼びます)で、八丈島から、その沖の青ヶ島あたりまで遠征して、数日間海上で漁をして、下田魚市場に戻ってきて水揚げされる金目鯛のことです。

もちろん南伊豆、下田には小型漁船で遠征して沖キンメを釣ってくる剛胆なキンメ漁師もいます。

沖キンメは、脂の乗りと味は島キンメよりワンランク落ちます。

南伊豆町内&下田市内のスーパーでは1kg以下の小さいオキキンメが並びますが、たまに1kgオーバーの大きなサイズも並びます。

地元スーパーではオキキンメ1kg以下サイズで3500円くらいです。

 

幻の2kgオーバーの地金目鯛(ジキンメ)

これは幻の2kgオーバーの地金目鯛(ジキンメ)、一生に一度逢えるかどうか・・・

 

 

以上、金目鯛の3種類について説明しましたが、静岡県外や首都圏で流通している(スーパーで売られている)金目鯛や、普通のお食事処、レストラン、居酒屋メニューの金目鯛は、ほぼ間違いなく金目鯛の「沖キンメ」です。

 

で、ここでちょっと言っておきますが、

 

南伊豆の「沖キンメ」も十分においしいですよっ!

 

ですが、せっかく伊豆半島の最南端の南伊豆町まで足を運ぶのなら、やはり南伊豆でなければ食せない食材を召し上がることをおすすめいたします。

 

南伊豆にはジキンメ料理を提供する、こだわりの食事処や飲食店もありますので、ぜひとも南伊豆ブランドの地魚料理を召し上がってお帰りください。

 

下田ベイステージ内の下田魚市場の目の前にある食堂「さかなや」では、「脂(あぶら)キンメ刺身定食」としてメニュー提供していますので、ぜひ一度召し上がって下さい。

 

ジキンメの地元漁師レシピでは、刺身、あぶり、しゃぶしゃぶ、塩焼き(カマ焼き)、煮付け、酒蒸し、鯛めし、あら汁、が定番です。

 

 

私も、伊豆漁協組合の一本釣り漁師として、遊漁船「たけすみ丸」船長として、

仲間のジキンメ漁師が釣ってくる朝獲れ地魚を、自分が経営する「弓ヶ浜へ30mのコテージ伊豆.com」で、

「1kg地金目鯛を丸ごと一匹使ったジキンメ五品コース」 をオプション提供しています。

 

私が提供する地金目鯛(ジキンメ)5品コース

私が提供する地金目鯛(ジキンメ)5品コース、煮付、アブリ、カマ焼き、鯛飯、あら汁

 

この「1kg地金目鯛を丸ごと一匹使ったジキンメ五品コース」は9,720円で、刺身(あぶり)、煮付け、塩焼き、鯛めし、あら汁、の5品提供です。

どの一品も、南伊豆を訪れる観光客にとっては、まず口に入らない南伊豆ブランドの郷土料理です。

 

1kgジキンメの半身の煮付け。魚の味を味わいたいので煮汁は京風のアッサリ薄味です。

1kgジキンメの半身の煮付け。魚の味を味わいたいので味付けは地元漁師風で薄味

 

煮付け(姿煮)は、1kgジキンメの半身を使って、醤油、本みりん、日本酒で煮付けます。

上品な脂が多分に乗った白身の魚の味を味わってもらいたいので、薄味で煮付けています。「あの」甘辛い金目鯛の煮付けとはまったく別物です。

これを召し上がっていただくと、いわゆる「金目鯛の煮付け」に対する概念が変わります。おまけで提供している煮汁で炊いた豆腐とゴボウも大好評です。

 

ジキンメ半身の刺身。皮を炎であぶった「アブリ」が南伊豆漁師風です。

ジキンメ刺身、皮を炎であぶった「あぶり」が南伊豆漁師風です。

 

ジキンメ・フルコースの二品目は、刺身(あぶり)です。

もちろん炎で炙らない刺身も絶品ですが、ここは南伊豆の漁師風で「あぶり」で召し上がっていただきたい。深海魚の濃厚な皮下脂肪がトロリ溶け出して、もう見た目からまじでヤバイ刺身なのです。

この濃厚で味わい深い脂をどれだけ多く含んでいるのか?ということがその金目鯛の味を決定するわけで、地キンメがNo.1、次に島キンメ、その次に沖キンメという順番になっています。

伊豆への旅行者でこの1kgジキンメのあぶりと遭遇できる人は、相当にラッキーな方でしょう、南伊豆ブランド5本の指に入る地魚グルメです。

 

ジキンメのなし割りしたカブトの半身とカマは塩焼きで。

ジキンメの一番うまいところは炭火でカマの塩焼き

 

南伊豆の漁師料理「ジキンメ・フルコース」の三品目は、かぶと&かまの炭火塩焼きです。

南伊豆のジキンメ漁師はこの部位の塩焼きが大好きです。みな指でつまんでしゃぶり尽くします、それが「ジキンメのカマ塩焼き」を食べる作法なのです。

だからジキンメの塩焼きを出されたら箸で上品に食べてはいけません、ジキンメ漁師に失礼です、一つ一つの骨にへばりついている脂肉を全部しゃぶり尽くすのです。

しゃぶりつきながら伊豆半島沖の海底500mに棲む深海魚の味を心ゆくまで堪能して頂きたいのです。

炭火の上で脂がジュージューしたたり落ちる煙と匂いは南伊豆ブランドの証です。

 

ジキンメの鯛めしはマダイの鯛めしに比べて味の濃さが勝っています。

ジキンメの鯛めしはマダイの鯛めしに比べて味の濃さが勝っています。

南伊豆の漁師料理「ジキンメ・フルコース」の四品目は、ジキンメの鯛めしです。

鯛めしと言えばマダイですが、それと比べてジキンメの鯛めしは味がしっかりしています。ご飯が炊きあがったら具(骨)とご飯をまぜまぜして茶碗に盛ります。

このとき、お子様などがいて骨を取り除く必要がある場合は、まぜまぜしないで具と鯛めしを別々に分けて召し上がってください。

その必要が無い大人だけの場合は全部まぜまぜしたほうがおいしいです。ジキンメの鯛めしは本家マダイの鯛めしに比べて味の濃さではワンランク上です。

 

ジキンメのあら汁、絶品です。

ジキンメのあら汁、上質な脂がお椀に浮いて絶品です。

 

南伊豆の漁師料理「ジキンメ・フルコース」の五品目は、ジキンメあら汁です。アラや骨の髄からうまみや脂がしみ出して実に濃厚な味噌汁です。

鯛めしと一緒に召し上がってください。ジキンメの上質な脂がお椀に浮いて絶品です。

 

さて、以上五品が、当コテージのジキンメ・フルコースの内訳メニューですが、ボリュームとしてはだいたい大人3人前くらいです。

自分たちで自由に持ち込んだ食材でバーベキューしながら、このジキンメ・フルコースをサイドメニューとして注文することを、おすすめしています。

 

また、洋風レシピとして、イタめし屋を経営する友人から教わったジキンメのアクアパッザ&パスタなども絶品でした。

大勢の仲間とワイワイやりながらワインやるときの私のお気に入りイタリアン・ディッシュとなっています。

 

地金目鯛(ジキンメ)のアクアパッザ&パスタ

豪快な地金目鯛(ジキンメ)のアクアパッザ&パスタ

 

地金目鯛(ジキンメ)のアクアパッザ&パスタ

南伊豆でしか作れない地金目鯛(ジキンメ)のアクアパッザ&パスタ

 

ジキンメは春から夏にかけてノッコミ(産卵期)なので一段と脂が乗ってきます、その時期に南伊豆に観光される方はぜひ召し上がってお帰りください。

 

私なりに、ジキンメの調達方法と料理方法についてまとめてみましたので、こちらのページも参考にして下さい。

 

http://www.beachside-log.com/11kinme_cooking.html#sashimi

 

 

以上、伊豆半島の知っておくと得する金目鯛「豆知識」情報でした。

 

伊豆漁協組合 遊漁船「たけすみ丸」船長

 

弓ヶ浜へ30mのコテージ伊豆.comオーナー

 

森本均より