ロングボード初心者に立ちはだかる伊豆サーフィンの「鉄の掟」

みなさんがイメージするサーファー文化ってどんなもんですか?

優しさ、癒し、エコ、音楽、若者、ルーズ、、、

 

弓ヶ浜でロングボード始めました

目の前の弓ヶ浜でロングボード始めました。

 

私も弓ヶ浜へ移住してサーフィンをやる前は、そんなところでした。

ところが、地球上の数百万のサーファーの間には、背筋が凍りつくような冷徹な、「鉄の掟」が存在するのです。

それを実際に海の上で経験したとき、そんな美しいメローなイメージなんぞ一気に吹っ飛びました。

入門者が挫折する理由の99%はこれだと確信しています。

「1つの波にはレギュラー、グーフィー、各1人、合計2人しか乗れない」

これがその鉄の掟です。

 

波を陸から見て一番盛り上がって一番先に崩れる(ブレイク)する地点より左側がレギュラー、右側がグーフィーです。

この写真は5月GWの伊豆で水温も20度以上あり、波情報がいいときにはサーファー100人、これでgood swell 入ると200人くらいになります。

 

100人くらいが波待ち

100人くらいが波待ち

 

これが湘南海岸の人気ビーチなら一つのサーフィンポイントに数百人が2列にびっしり並んで波待ちしていると想像されます、いかがでしょうか。

 

15人の波待ちグループが2つ

15人の波待ちグループが2つ

 

たとえば上の写真、伊豆のとあるサーフィンエリアですが、30名くらいのサーファーが2グループに別れて波待ちしています。ほどよくブレイクするいい波のスポットが二つあって、それぞれ「レギュラー」「グーフィー」の波待ちがあるということです。

つまり、一つのいい波の左右のポールポジションを7~8人がイス取りゲームのように取り合うわけです。

波乗りできる人は一つの波で左右各1人づつ(仮にゲームの王様と呼びます)、その他は全員サーバント(召使い)のように、そのいい波をテイクオフできる王様に譲り渡し、そのいい波から離脱しなければなりません。

 

左の人は先乗りで、右の人に譲っています

左の人は先乗りで、右の人にこの波を譲っています

 

初心者の私から見ると、海上での波取りゲームの王様になるには少なくとも三つの技能が必要のようです。

一つ、なるべく遠くから「いい波」を見つけ出せる望遠能力とカン。
一つ、その波がどの地点でブレイクするかを正確に読み切る分析力。
一つ、ポールポジション(ピーク)に誰よりも先に移動できるパドリング速度。

どれが欠けても王様にはなれないようです。

一つの波にレギュラーとグーフィーの2人の王様しか君臨できない・・・
あの波は俺様の波だ、俺より下手なやつはどけどけ・・・

休日のいい波が入ってきた伊豆の人気のサーフィンポイントでは、こんな殺気だった争奪戦の波動さえ感じられました。

 

んんん~

これのどこが癒しなんだろう?

どこがメローなんだろう?

 

現実社会よりもはるかにあからさまな実力主義、弱肉強食の野生王国に見えてきて、50才のロングボード初心者の心が何度も折れそうになりました。

 

これが、ロングボード始めて間もないころ、サーフィン初心者の私から見えた波間の光景でした。

 

確かにサーフィンの雑誌やマニアル本を読めば、「波はみんなで譲り合いましょう、とくにロングボーダーはショートボーダーより沖でウネリをキャッチできるので波の独り占めは慎みましょう・・・」って書いてあります。

でも、現実は?

これは日本だけのサーフィン状況なのか、それとも地球上のサーフポイントすべてでそうなのか?まじで悩みました。

 

ビギナーは波がとれない、テイクオフする機会が少ない。

ビギナーは波がとれない、テイクオフする機会が少ない。

 

さて、一般的に、ロングボードの上級者達はそのビーチで最高にいい波の最高の位置(ピーク)を狙うため、一番アウト(沖)で先頭集団を作って波待ちしています。

初心者はその集団に入っていくことさえ恐る恐るなのですが、仮にその集団に入れたとしても、方向転換速度とパドリング速度が遅く、どんなにバタバタしてもテイクオフできる王様にはなれません。

なので必然的に先頭集団よりビーチ寄りに下がって(インサイド)、もっと小さい波を狙うようになります。

ところがどっこい、これが王様の大迷惑になってしまうのです。

大波をつかんでテイクオフした王様の進路妨害して、思いっきり怒鳴られます。

 

「危ないじゃないか!もっとアウト(沖)から出ろ!」

 

でしかたなくアウトに出ますが、高校野球のピッチャーがメジャーリーグのマウンドに立ったような感じ・・・

1時間浮いていても1本も波に乗れない・・・

1日で1本もテイクオフできなかった・・・

で、さすがにおやじ初心者サーファーの心が折れるわけです、ポキッと。

 

3mのロングボードを車にのせ、ウェットスーツ着て、ポイントに通い、3時間波間に浮かんで1本も波がとれない、

「1つの波にはレギュラー、グーフィー、各1人、合計2人しか乗れない」という鉄の掟が私の前に立ちはだかり、もう止めたくなったとき、ちょっと魔が差しました。

 

どうせこのまま行けば、サーフィンやめるんだから、一度だけ周辺の他人がどうであれ、こっちは自分のことだけ考えて周囲を無視して波をとりに行ってテイクオフしてみようか、と。

 

はい、思い立ったら即実行の私、伊豆の白浜でサイズオーバーの崩れかけた波に周囲を見ないでテイクオフした瞬間、「先乗り」だったことにに気がつき、接触寸前で海の中へ飛び込みました。

その結果、海中で洗濯されているときに自分のサーフボードのテイルが顔面に食い込み、鼻の軟骨を骨折して一瞬意識不明に。

顔面からものすごい出血を垂れ流しながら、近くのショップに駆け込み、それに気がついた白浜マリーナの店長さん店員さんが全員出てきて、そして数人のローカルの方々に鼻の出血の応急処置をしてもらい、近所の救急病院へ駆け込みました。

病室の鏡を見てびっくり、折れた鼻の骨が皮膚を突き破って突出していて鼻が2つに・・・

全治一ヶ月の大けが、救急病院で手術してくれた医者が、「あと3cm上なら失明だったね・・・」と。

 

先乗りの代償は大きすぎた・・・

先乗りの代償は大きすぎた・・・

 

この「鉄の掟」を破った代償はとんでもなく痛く高いものになりました。

「鉄の掟」は間違いなく「鉄の掟」でした、掟破りの罰則は想像以上に重いです、今考えれば当たり前のことですが。

 

さて、この事故直後、顔面血だらけで、血をぽたぽた垂らしながら海岸道路をヨタヨタ歩いていたとき、地元ローカルサーファーやショップ店員全員がかけ寄って、「これはすぐ病院に行かなきゃダメだ、ここから一番近い救急病院は・・・」とアドバイスくれたり、サーフボードを持ってくれたり、自販機で血を洗い流すためのウーロン茶を買ってくれたり、白いガーゼを持って来くれたり・・・。

まったく面識の無い多くのローカルサーファーたちが、初対面の血だらけの私をものすごく助けてくれました。そして事故後3ヶ月して同じ海に入ったとき、多くのローカル達が次々に声をかけてくれたのです。

「鼻なおったの?」
「おじさん、パドリングでノーズが下がってないよ、それじゃダメ!」
「今日はロング向きのイイ波だね、俺は先に乗るけど次もいいよ、乗りな!」

おおお~、譲ってくれたの?お、お、俺に?

有頂天で方向転換してパドリング開始すると、いつもならここで上級者たちが群がってその波を取りに来るのに今日は誰も来ません、私に道を譲ってくれているのです。

 

な、なんで?

あっ、なるほど、そういうことなのか!

ガッテン!ガッテン!

 

一本でも多く波をつかむには

初心者が一本でも多く波をつかむには・・・

 

その日始めてこの「鉄の掟」の裏にある上達の極意に気がついたのです。

サーフィン初心者がうまくなるには1本でも多くの波に乗ることです。そのためには、1人でも多くのローカルと友達になること、それが一番の近道です。

 

どうやって?

 

私のように全治1ヶ月の大けがして顔見知りになる必要はありません、先ずは「あいさつ」でしょ。

駐車場で、ビーチで、海岸道路で、海の上で、ショップで、、、

「おはようございます!」「こんにちは!」の笑顔の一言で十分です。

 

最初は「なんだこいつ?」と無視されるかもしれませんが、ここでめげちゃだめです。

同じ場所で同じ人に3回もやれば、今度は向こうから声をかけてくれるでしょう。

「よお、来たな!」

 

こうなりゃしめたもの、今日1日そのポイントで譲り合いの雰囲気も出てくるし、頼みもしてないのにワンポイントレッスンも飛んできます。

 

さて、サーフィンをこれから始める方、ロングボードをこれから始める方に申し上げます。

みなさんの前にはこのサーファーの鉄の掟が必ず立ちふさがります。でも、その時こそ、あなたが社会で揉まれてきたコミュニケーションの力でパワフルに上達していってください。

上達の秘訣は、ポイントに通った回数でもないし、海上に浮いている時間でもありません、ズバリあなたの「愛のコミュニケーション力」です。

1人でも多くの初心者マークの同志が、一日も早くハングテンまで進めるように、今日も元気にあいさつ!です。

 

伊豆半島の東側を低気圧が北上するときには各サーフポイントは大勢のサーファーで賑わいます。各サーフショップのサーフィンスクールも初心者には絶対におすすめです。何事も始めが肝心ですから。

 

伊豆の下田のサーフィンスクール

伊豆の下田のサーフィンスクール

 

私は、南伊豆の弓ヶ浜前で貸し別荘バーベキューコテージを経営しています。

弓ヶ浜周辺には、下田の白浜、多々戸浜、入田浜、大浜吉佐美など、おすすめポイントが多数ありサーフトリップの宿泊には便利な宿です。

源泉掛け流しの温泉「みなと湯」に歩いて1分、ウェットやサーフボードのレンタルあり、温水シャワーも完備です。

当コテージのサーフィン設備の詳細はこちらです

 

この顔にピンときたら声をかけてね

この顔にピンときたら声をかけてね

 

みなさんと伊豆の海でお逢いできることを楽しみにしています。

「鉄の掟読んだ!」って声かけてください、そんときは、南伊豆ローカルのシークレットや波乗り人生について語り会いましょう。

それでは、ハングテン目指して、ともにがんばりましょう!

Aloha!!

 

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